昨年の収穫その二「穴窯」 | 陶工房 美土里の洞 通信

陶工房 美土里の洞 通信
▲…△
群馬県・白根山と浅間山。二つの雄大な山の足元に暮らし、作陶する日々。
【 陶ギャラリー美土里の洞HP】http://midori-hora.moo.jp

昨年の収穫その二「穴窯」 23:35
去年はいつになく、知己の中に新鮮でアクティブな関係が生まれた年でありました。
制作の上で最大の収穫は何といっても「穴窯への参加」です。
嬬恋に窯を持つ陶芸家Tさんの「沢渡温泉に立派な穴窯があるのですが」の一声で、
美土里の洞を含む近隣の陶芸家、彫刻家がその穴窯「有笠窯」に集まりました。

数年前、工房の灯油窯で灰かぶり(薪の灰がかかって釉となり自然な景色をつくる)をとろうと、
1000度まで灯油で上げてから、追い込みの1250度までを薪で焚いたことがありました。
私はそれが唯一の薪窯体験。シショーは何人かの窯を手伝ったことがあり、
窯によってそれぞれ全く違う個性があるそうです。
余談ですが、陶芸家同士のヨタ話の中で一致したのは「窯=女だ」。
じゃじゃ馬で苦労すればするほど、面白いものがとれるから‥‥‥とのこと。ふうん。
さておき、本格的な穴窯に参加するのは初体験!ワクワクしました。


九州の窯元で修行して来られたTさんによると
「のぼり窯で稼いで穴窯を焚く」といわれていて、
圧倒的な時間と労力と薪(つまりコスト)がかかる穴窯は、道楽の域なのだそうです。
その代わりとれるものの風合いが全く違って「圧倒的」な分、
唯一無二の穴窯でしか出せない品物がとれる‥‥‥だから病みつきになる、と。
のぼり窯と穴窯の違いを形状程度の認識しか持っていなかった不勉強な私は、
窯焚きしながら教わることがみな新鮮で、全てが面白かったです。
薪の投げ方ひとつ取っても、Tさんやはるばる九州から参加したR君は
炎と熾きの色味から投げ込む位置・本数を判断しつつ、動作はリズミカルで軽やか。
まるで窯の呼吸に合わせるかのように、薪が吸い込まれてゆくのです。
予想外のアクシデントもあり、何度となく壁に突き当たりながら焚き続けている内に
まさに炎、いえ、自然との格闘だと実感しました。
自然に従って走り踊る炎に時に寄り添い、時に反発し、あやつりながら
自らの思い描く終焉へと導こうとする人間‥‥‥貴重な体験だったなあ。
とてもとても濃い、充実した10日間でした。
この時の作品は、後日ご披露いたします!
| 陶芸・やきもの | comments(0) | trackbacks(1) | posted by ミドリノホラ
Comment








Trackback
この記事のトラックバックURL: トラックバック機能は終了しました。
茶碗、私達がいつも使っている茶碗についてのいろいろを調べて この茶碗のブログを書いて行きたいと思います。 なにげなく使っている茶碗にも結構深いものがありますね
| 茶碗 | 2007/01/14 9:51 AM |
<< NEW | TOP | OLD>>
google-site-verification: googleb2502e3b428e6063.html